1: もろ禿 ◆SHINE.1vOk もろ禿HINE! ★@\(^o^)/ 2015/05/14(木) 22:03:18.96 ID:???.net
2015年5月14日ニュース「シロアリの生命力解明さらに前進」 | SciencePortal
http://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2015/05/20150514_01.html
シロアリは腸内微生物によって高効率にエネルギーと栄養を獲得 | 理化学研究所
http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150512_2/
図1 オオシロアリと腸内の原生生物、その細胞内共生細菌
上左:体長約1cmのオオシロアリ
中左:腸内のセルロース分解性のEucomonympha属原生生物の位相差顕微鏡像。スケールは50 µm
中右:Eucomonympha属原生生物の細胞内共生細菌の検出。緑の小さな粒子が特異的に検出された細胞内共生細菌。黄色い不定形のものは原生生物が取り込んだ木片(セルロース)
下左:共焦点レーザー顕微鏡で検出した細胞内共生細菌。緑に検出された細胞内共生細菌が高密度に細胞内に共生している。スケールは5 µm
下右:細胞内共生細菌の電子顕微鏡像。スケールは0.5 µm
図2 本研究で明らかになった細胞内共生細菌の役割
シロアリが摂取したセルロースは、腸内の原生生物に取り込まれて分解され、酢酸、二酸化炭素、水素を生じる。酢酸はシロアリのエネルギー源として吸収・利用される。二酸化炭素と水素は、Eucomonympha属原生生物の細胞内共生細菌(スピロヘータの1種)の場合、還元的酢酸生成の働きで酢酸に変換されてシロアリに利用される。細胞内共生細菌は、セルロース分解の中間産物である糖も利用して必要なエネルギーを得つつ、代謝産物として酢酸を生成していると推定された。細胞内共生細菌には、窒素固定の働きもあり、固定されたアンモニアはさらに、アミノ酸やビタミンなど栄養価の高い窒素化合物の生合成に用いられる。それらの窒素栄養は、原生生物に優先的に利用されると考えられるが、腸内での窒素固定活性のほとんどがこの細胞内共生細菌によるものなので、腸内の他の微生物やシロアリにも供給されると考えられる。
シロアリが持つ強力なセルロース分解能力の仕組みを解く研究を続けている理化学研究所の研究チームが、決定的な役割を果たしているとみられる腸内微生物を突き止める新たな成果を12日、発表した。
地球温暖化対策としてバイオマス利用に対する関心が高い。しかし、食料にならないバイオマスの利用はあまり進んでいない。植物細胞壁の主成分であるセルロースを分解する有効な技術の開発が難航しているのが一因だ。理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室の大熊盛也(おおくま もりや)室長らは、これまでシロアリの強力な生命力が、シロアリとその腸内の原生生物(動植物、菌類に属さない真核生物)と原生生物の細胞内に共生する細菌との3者間に存在する持ちつ持たれつの関係に起因することを明らかにしてきた。
今回の研究成果は、こうした3者の関係をさらに詳細に解明している。研究チームはオオシロアリの腸内でセルロースの分解に最も重要な働きをするEucomonympha属の原生生物と、その細胞内に共生する細菌に着目した。研究の結果、シロアリが食料とする木材に乏しい窒素を細菌が空気中から取り込んで、生物が利用できるアンモニアに変える。さらにシロアリの腸内で原生生物によってセルロースが分解され、代謝された後に生じる二酸化炭素(CO2)と水素から酢酸も作る、ことが確かめられた。こうした共生細菌の働きによって、研究チームが調べたEucomonympha属の原生生物だけで、腸内微生物群全体が持つ空気中の窒素からアンモニアを作成する能力のほとんどと、CO2と水素から酢酸を作り出す能力の約6割を担っていることも分かった。
シロアリは、木造家屋を食い荒らす害虫である一方、森林では枯れ木を分解する重要な役割も果たしている。バイオマス利用では、トウモロコシや大豆のような食料になる原料以外のセルロース系バイオマス資源を活用する技術開発が急がれている。
シロアリの腸内でみられる高効率の共生システムを解明していくことで、セルロース資源の効率的な利用法開発につなげることが期待できる、と研究チームは言っている。
http://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2015/05/20150514_01.html
シロアリは腸内微生物によって高効率にエネルギーと栄養を獲得 | 理化学研究所
http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150512_2/
図1 オオシロアリと腸内の原生生物、その細胞内共生細菌
上左:体長約1cmのオオシロアリ
中左:腸内のセルロース分解性のEucomonympha属原生生物の位相差顕微鏡像。スケールは50 µm
中右:Eucomonympha属原生生物の細胞内共生細菌の検出。緑の小さな粒子が特異的に検出された細胞内共生細菌。黄色い不定形のものは原生生物が取り込んだ木片(セルロース)
下左:共焦点レーザー顕微鏡で検出した細胞内共生細菌。緑に検出された細胞内共生細菌が高密度に細胞内に共生している。スケールは5 µm
下右:細胞内共生細菌の電子顕微鏡像。スケールは0.5 µm
図2 本研究で明らかになった細胞内共生細菌の役割
シロアリが摂取したセルロースは、腸内の原生生物に取り込まれて分解され、酢酸、二酸化炭素、水素を生じる。酢酸はシロアリのエネルギー源として吸収・利用される。二酸化炭素と水素は、Eucomonympha属原生生物の細胞内共生細菌(スピロヘータの1種)の場合、還元的酢酸生成の働きで酢酸に変換されてシロアリに利用される。細胞内共生細菌は、セルロース分解の中間産物である糖も利用して必要なエネルギーを得つつ、代謝産物として酢酸を生成していると推定された。細胞内共生細菌には、窒素固定の働きもあり、固定されたアンモニアはさらに、アミノ酸やビタミンなど栄養価の高い窒素化合物の生合成に用いられる。それらの窒素栄養は、原生生物に優先的に利用されると考えられるが、腸内での窒素固定活性のほとんどがこの細胞内共生細菌によるものなので、腸内の他の微生物やシロアリにも供給されると考えられる。
シロアリが持つ強力なセルロース分解能力の仕組みを解く研究を続けている理化学研究所の研究チームが、決定的な役割を果たしているとみられる腸内微生物を突き止める新たな成果を12日、発表した。
地球温暖化対策としてバイオマス利用に対する関心が高い。しかし、食料にならないバイオマスの利用はあまり進んでいない。植物細胞壁の主成分であるセルロースを分解する有効な技術の開発が難航しているのが一因だ。理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室の大熊盛也(おおくま もりや)室長らは、これまでシロアリの強力な生命力が、シロアリとその腸内の原生生物(動植物、菌類に属さない真核生物)と原生生物の細胞内に共生する細菌との3者間に存在する持ちつ持たれつの関係に起因することを明らかにしてきた。
今回の研究成果は、こうした3者の関係をさらに詳細に解明している。研究チームはオオシロアリの腸内でセルロースの分解に最も重要な働きをするEucomonympha属の原生生物と、その細胞内に共生する細菌に着目した。研究の結果、シロアリが食料とする木材に乏しい窒素を細菌が空気中から取り込んで、生物が利用できるアンモニアに変える。さらにシロアリの腸内で原生生物によってセルロースが分解され、代謝された後に生じる二酸化炭素(CO2)と水素から酢酸も作る、ことが確かめられた。こうした共生細菌の働きによって、研究チームが調べたEucomonympha属の原生生物だけで、腸内微生物群全体が持つ空気中の窒素からアンモニアを作成する能力のほとんどと、CO2と水素から酢酸を作り出す能力の約6割を担っていることも分かった。
シロアリは、木造家屋を食い荒らす害虫である一方、森林では枯れ木を分解する重要な役割も果たしている。バイオマス利用では、トウモロコシや大豆のような食料になる原料以外のセルロース系バイオマス資源を活用する技術開発が急がれている。
シロアリの腸内でみられる高効率の共生システムを解明していくことで、セルロース資源の効率的な利用法開発につなげることが期待できる、と研究チームは言っている。
【【生化学/細菌学】シロアリは腸内微生物(セルロースを分解する原生生物とその細胞内共生細菌)によって高効率にエネルギーと栄養を獲得】の続きを読む