1: もろ禿HINE! ★@\(^o^)/ 2015/11/27(金) 08:17:01.56 ID:CAP_USER.net
魚が海中で姿を隠す仕組みを解明 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/112600339/
何の障害物もない海中では、隠れる場所などないように思える。だが、水と太陽光しかない場所で姿を隠す方法を発達させてきた魚がいる。米テキサス大学オースティン校の研究者パリッシュ・ブレイディ氏とモリー・カミングス氏らがその仕組みを初めて解明し、11月20日付の科学誌「サイエンス」に発表した。
研究者たちは以前から、シロガネアジやメアジのような銀色の魚が、体表の色をカムフラージュに使っているのではないかと推測していた。光を別の方向へ反射させれば姿を目立たなくできるからだ。だが、実際の海中でそれを確かめるのは困難だった。(参考記事:「蛍光に光るウナギの仲間を発見、世界初」)
今回、研究チームは風見鶏のように4本のアームがゆっくりと旋回する装置を製作。網かごに入れた魚をアーム上に置き、反対側のアームに高性能カメラを固定して魚を撮影できるようにした。チームはフロリダキーズ諸島とキュラソー島沖でこの装置を海中に下ろして実験、上空を太陽が動いていく中、生きた魚の写真を1500枚以上撮り、測定を行った。
実験の結果、特に外洋を泳ぐ魚(外洋魚)が水中の偏光の中で巧みに姿を消すことが明らかになった。偏光とは振動する平面がそろった状態の光で、水中で普通に見られる光だ。
研究チームはさらに、一部の魚が体表に持つ「小板」という微小な構造が、偏光の方向を変え、自身の姿をほとんど見えなくしていることも発見した。小板自体は以前から見つかっていたが、外洋魚が偏光の中で身を隠すのに使うという用途が判明したのは初めてだ。
今回調査した魚のうち、カムフラージュに最も長けていたのがシロガネアジとメアジの2種の外洋魚だった。近海の魚や人工の鏡よりも、周囲とのコントラストは小さかった。従来、研究者は魚の体表が鏡のように光を反射しているのではと考えていたが、実際のカムフラージュ効果は鏡よりもずっと高かったのだ。
カムフラージュ効果が最も高かったのは、魚の頭または尾から45度の角度に対してだった。これは捕食者が狙ってくる角度であるため、理にかなっているともいえる。
海中の競争
これらの外洋魚が、太陽の移動とともに変化する海の偏光の中に姿を隠す必要があるというのは合理的だが、それが実際に機能しているかどうかはこれまで実証されていなかった。
米カリフォルニア大学デービス校、ボデガ海洋研究所のスーザン・ウィリアムズ氏とグレース・ハー氏はEメールで、「この研究は、実地で行われた最も包括的な研究の一つといえます。海中におけるカムフラージュ機能の進化の解明が大きく前進しました」とコメントした。
エビの視覚を研究している英ハル大学のマグヌス・ジョンソン氏も、「外洋のエビに偏光が見えるのは確実だと考えられています。今回の研究結果は、その理由を示唆するものです。種同士の間で、相手より優位に立とうとする競争があるのでしょう」とEメールで述べた。(参考記事:「スズメダイが仲間の顔を見分けると判明、豪研究」)
「身を隠す技術」、人も応用狙う
ブレイディ氏は研究の次のステップとして、これらの魚が、カムフラージュ効果を最大化するために体表の小板や体全体を動かしているのかを突き止めたいという。
この研究は米海軍が支援している。外洋で姿を隠す方法が分かれば、有効活用できるからだ。魚の行動の解明という科学的価値に加え、観光客向けのエコロッジ(環境負荷を最小限に抑えた宿泊施設)周辺で海の景観を乱す物体を目立たなくする、調査用の潜水艇をより見えにくくする、魚から見えやすい釣り用の疑似餌を作るなど、人の活動に関わる応用も考えられるとブレイディ氏は話している。(参考記事:「色覚のない敵に「派手さで警告」は通用するか?」)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/112600339/
何の障害物もない海中では、隠れる場所などないように思える。だが、水と太陽光しかない場所で姿を隠す方法を発達させてきた魚がいる。米テキサス大学オースティン校の研究者パリッシュ・ブレイディ氏とモリー・カミングス氏らがその仕組みを初めて解明し、11月20日付の科学誌「サイエンス」に発表した。
研究者たちは以前から、シロガネアジやメアジのような銀色の魚が、体表の色をカムフラージュに使っているのではないかと推測していた。光を別の方向へ反射させれば姿を目立たなくできるからだ。だが、実際の海中でそれを確かめるのは困難だった。(参考記事:「蛍光に光るウナギの仲間を発見、世界初」)
今回、研究チームは風見鶏のように4本のアームがゆっくりと旋回する装置を製作。網かごに入れた魚をアーム上に置き、反対側のアームに高性能カメラを固定して魚を撮影できるようにした。チームはフロリダキーズ諸島とキュラソー島沖でこの装置を海中に下ろして実験、上空を太陽が動いていく中、生きた魚の写真を1500枚以上撮り、測定を行った。
実験の結果、特に外洋を泳ぐ魚(外洋魚)が水中の偏光の中で巧みに姿を消すことが明らかになった。偏光とは振動する平面がそろった状態の光で、水中で普通に見られる光だ。
研究チームはさらに、一部の魚が体表に持つ「小板」という微小な構造が、偏光の方向を変え、自身の姿をほとんど見えなくしていることも発見した。小板自体は以前から見つかっていたが、外洋魚が偏光の中で身を隠すのに使うという用途が判明したのは初めてだ。
今回調査した魚のうち、カムフラージュに最も長けていたのがシロガネアジとメアジの2種の外洋魚だった。近海の魚や人工の鏡よりも、周囲とのコントラストは小さかった。従来、研究者は魚の体表が鏡のように光を反射しているのではと考えていたが、実際のカムフラージュ効果は鏡よりもずっと高かったのだ。
カムフラージュ効果が最も高かったのは、魚の頭または尾から45度の角度に対してだった。これは捕食者が狙ってくる角度であるため、理にかなっているともいえる。
海中の競争
これらの外洋魚が、太陽の移動とともに変化する海の偏光の中に姿を隠す必要があるというのは合理的だが、それが実際に機能しているかどうかはこれまで実証されていなかった。
米カリフォルニア大学デービス校、ボデガ海洋研究所のスーザン・ウィリアムズ氏とグレース・ハー氏はEメールで、「この研究は、実地で行われた最も包括的な研究の一つといえます。海中におけるカムフラージュ機能の進化の解明が大きく前進しました」とコメントした。
エビの視覚を研究している英ハル大学のマグヌス・ジョンソン氏も、「外洋のエビに偏光が見えるのは確実だと考えられています。今回の研究結果は、その理由を示唆するものです。種同士の間で、相手より優位に立とうとする競争があるのでしょう」とEメールで述べた。(参考記事:「スズメダイが仲間の顔を見分けると判明、豪研究」)
「身を隠す技術」、人も応用狙う
ブレイディ氏は研究の次のステップとして、これらの魚が、カムフラージュ効果を最大化するために体表の小板や体全体を動かしているのかを突き止めたいという。
この研究は米海軍が支援している。外洋で姿を隠す方法が分かれば、有効活用できるからだ。魚の行動の解明という科学的価値に加え、観光客向けのエコロッジ(環境負荷を最小限に抑えた宿泊施設)周辺で海の景観を乱す物体を目立たなくする、調査用の潜水艇をより見えにくくする、魚から見えやすい釣り用の疑似餌を作るなど、人の活動に関わる応用も考えられるとブレイディ氏は話している。(参考記事:「色覚のない敵に「派手さで警告」は通用するか?」)
【【生態学】魚が海中で姿を隠す仕組みを解明 偏光を利用して巧みにカムフラージュ】の続きを読む